歯科と認知症予防の関係
噛むことの大切さ
歯科と認知症と聞くと一番最初に思いつくのが噛むことの大切さそしてそこには歯の数が関係してくるという事です。
歯というものはただ単に噛んで飲み込むという咀嚼機関ではなく、噛むという行為そのものが脳を刺激するという事がわかっています。食事そのものが脳を刺激してくれているといってもいいでしょう。例えば、おいしそうな臭い、きれいな彩り・・・こういうものも脳を刺激してくれます。ですから日本の食器の彩りの良さ、盛り付けも刺激してくれます。西洋料理でも特にフランス料理はお皿に絵を描いていますから、こういうのも脳を刺激してくれますね。
噛むことに注目すれば、噛んだ時の刺激が歯根膜を通じて脳に伝わっているそうでして、その刺激は脳における感覚や運動、また記憶や思考、意欲を司っている部位いわゆる海馬であったり前頭葉であったり、そのような場所への活性化に繋がっていきます。つまり歯の数が多いほど脳への刺激が多くなり、少ないほど脳の刺激が少なくる。
つまり・・・
歯が少ない=脳への刺激が少ない=認知症リスクが上がってくる
という図式が成り立つことになります。
山梨県歯科医師会のチラシ(http://www.yda.jp/images/panphlet/20140523.pdf)の中に東北大学の研究が載っています。健康な人では平均14.9本の歯が残っていたのに対し、認知症の疑いのある人では9.4本と歯の数が少ないほうがよりリスクが高いと思われます。また、残っている歯が少ないほど、海馬や、前頭葉の容積などが少なくなっていたそうです。このチラシ、認知症以外の事も書いてありますので是非ご参考にしてください。
噛むことの大切さ
広島大学の研究(https://home.hiroshima-u.ac.jp/forum/2004-6/gakumon.html)で明らかになったのが歯のあるマウスと歯のないマウス(大理石病マウス)では認知症の程度が違うという事。「大理石骨病マウスでは、特に大脳皮質においてアミロイドベータ蛋白の沈着による老人斑の形成が多数検出されたのに対して、正常マウスではまったく認められませんでした」との事。更に「記憶・学習機能を司る海馬周辺の錐体細胞数を比較すると、大理石骨病マウスではその数が有意に少ないことが明らかとなりました。」との事・・・
食べ物の差もでも出ます。
固形の餌と粉末の餌を与えると正常マウスでも粉末の餌の方が老人班が認められ、大理石病マウスではその差が顕著になったそうです。また同じ歯があるマウスでも固形の飼料と粉末の飼料では水迷路実験の結果、ゴール到達時間が粉末餌飼育群で長くなり、実験二、三日目では有意の差が明らかとなったそうです。これは、歯があるかないか、固いものを食べる事と、やわらかいものばかり食べている事で認知症リスクに差があるという事を示唆しているといえるでしょう。噛むという刺激いかに大切かという事です。
食事を大切に
加工食品は手軽で保存も効き、見た目もきれいですが食べやすいように柔らかく煮込んであったり、偏食しないようにリン酸塩が入っていたりしてあります。またおいしく感じるように砂糖もたっぷり使われています。日ごろから加工食品に頼らないような食生活を送りたいんのですが、今の社会ではなかなかそれもうまくいかないですよね。このあたりのバランスが非常に難しいと思っています。小さいころからやわらかいもの、スナック菓子などが中心の食生活を送っていれば将来にわたってその生活がなじんでしまい、硬くて食べられない、苦い、甘くないなどの不満が出てきます。小さいころからなるべく素材の味というものを生かした調理を心がけてほしいと思っています。
甘いものは虫歯だけではなくて歯周病の原因にもなります
歯を大切に・・・
つまり・・・
歯がないから噛めない⇒やわらかいモノ中心の食生活⇒認知症リスク
の図式が成り立つのですけど、その先には悪循環が待っています。
下の図は自分がセミナーを行っているときのスライドですけど、
糖質依存という悪魔?が待っています。
糖質の過多は糖尿病だけではなく、その先には人工透析、認知症が待っています。
保険診療を否定するわけではありませんが、歯科での保険診療はあくまで最低限度の治療です。
極端なことを言えば今現在、痛みが消えればいい、治ればいい、とりあえず噛めればいいという・・・
長期間にわたって歯を残したいのであれば自由診療の選択になってきます。
次回は認知症の原因、炎症、栄養不足、毒に関して歯科とつなげて書いていこうと思います。
https://info.ninchisho.net/prevent/p20
こういうことを書いていたら認知症と歯科に関連するセミナーもやりたくなってきちゃいました
歯科から始まる認知症予防!!なんてタイトルどうでしょうね?
あおい歯科クリニックはIAOMTのプロトコールに準じたアマルガム除去。
切削量の少ない削らない虫歯治療、プロバイオティクス・サプリメント外来・栄養療法外来も行っています。
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